貸工場における作業効率を事前に予想

貸工場における作業効率を事前に予想

オフィスを借りるビジネス形態が一般化する一方で、製造現場として貸工場を利用するケースも増えてきました。
ただし、オフィスのような感覚で気軽に借りるのは良くありません。
なぜなら工場の設備や立地によって、大きく作業効率が変化するからです。
生産性を高めたいなら、できるだけ作業効率が高いところを選択する必要があります。
そこで欠かせないのが、事前にその数値を算出しておくことです。
もちろん正確な数値は実際に作業を始めないと分かりません。
ですから、あくまでも予測できる範囲で概算を出すことになります。
十分に高いと判断できる結果が出た場合のみ、貸工場をレンタルすれば失敗のリスクが小さいです。
できるだけ精度を高めることが重要なので、貸工場のデータをしっかり集めましょう。
特に製造に直結する設備を正しく把握することで、的確な予測を行いやすくなります。
立地を十分に考慮して、仕入れのルートを定めておくこともポイントの一つです。

貸工場を決定する前にシミュレーションを実施

貸工場をレンタルすれば、製造を手軽にスタートできます。
ただし、既存の設備を利用するため、不足しているものは自分たちで用意しなければなりません。
その量や種類が多すぎると、本格的な生産体制の構築に時間がかかってしまいます。
コストも肥大化するため、資金繰りが苦しくなってしまうケースもあるでしょう。
したがって、貸工場を契約する前にシミュレーションを実施し、どのような実情になりそうか把握することが大事です。
既存の設備で可能な作業を割り出し、足りない分をカバーするのに要する時間や費用を計算しましょう。
それらが現実的な範囲内で収まることを条件として、貸倉庫の候補を絞っていくのが基本です。
シミュレーションの結果が悪い場合、いきなり諦めるのではなく、改善の余地を探るという手もあります。
いずれにせよ、料金や広さだけを目安にして決めるのは良くありません。
稼働させるまでの負担と運用の状況をしっかり推察しましょう。

著者:平岩孝行

筆者プロフィール

千葉県松戸市生まれ。
事業用物件を扱う不動産会社に勤務。
生産性の向上に繋がる貸工場について記事をまとめています。